ウェディングプランナーの結婚式講座

現役ウェディングプランナーが結婚式のことを紹介するブログです。

ウェディングプランナーが教える花嫁の手紙の書き方

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披露宴のクライマックスに感動的な演出のひとつとして「花嫁手紙」があります。

結婚式の演出も時代の流れによって様々な移り変わりをみせる中、この花嫁が読む手紙は、いつの時代もずっと変わることなく定番の演出になっています。

これから手紙を書く新婦の皆さんへ、数々の結婚式で花嫁の手紙を見守ってきたウェディングプランナーより
参考になるアドバイスをしたいと思います。

花嫁手紙が定番化している理由

今や、定番となっている花嫁の手紙朗読。これがないとしっくりこないと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、海外の結婚式では新婦が親御様に手紙を読むシーンはありません。
海外の披露宴は

  • ダンス
  • ゲーム
  • バンドの演奏

など、わいわい盛り上がれる楽しいパーティーとして行われるからです。

日本の披露宴も、もちろんそういった要素は含まれますが、海外と違い、人情や人と人とのつながりや、家族をなによりも大切に思う心から「感謝の時間」ということで、親御様へ手紙を朗読したり、記念品を贈呈したりする風習が根強く、今に至ります。

日本の披露宴で行われる主な演出はウェディングプランナー解説!結婚式の挙式や披露宴で盛り上がる演出 で紹介をしています。

また、この新婦が読む手紙はゲストの誰もが共感できるのです。
子育ての当事者である親御様はもちろんですが、

例えば、親戚のおじ様おば様は新婦の読む手紙を自分の息子や娘の結婚式に投影しながら聞いたり、

友人であれば、自分がお嫁に行く時のことを想像したり、または、お嫁に行った時のことを思い出したり、

ゲストひとりひとりが自分の経験を思い出したり、将来のことを考えながら聞いているからこそ、とても感動するのです。なので、ゲストは自分のことのように花嫁の手紙を聞いていると思ってください。

そんな素敵な時間を会場全体で共有できる披露宴はゲストにも「出席してよかったな」と感じていただけると思います。

花嫁の手紙を読みたくない新婦

バツの書いてある棒を持つ女性

ある新婦に「私は絶対親に手紙を読みたくない!」と相談されたことがあります。

理由を聞くと上司や友人の前で自分が親への手紙を読むのがとても恥ずかしいし、親御様も読まなくていいと言っているので省きたいとのことでした。

確かに普段、家とは全く違う顔を見せている会社の方や、初対面の新郎の親戚の前で手紙を読むのは気の進まないのもわかります。
人見知りや恥ずかしがりやの新婦さんにはとても難儀な演出です。
しかし、考えてみてください。

親御様へ感謝の気持ちを伝えること、小さい頃の思い出を懐かしむことは、なにも恥ずかしいことではなく、むしろ誇らしいことで、ゲストが感動と感心をする場面なのです。

たっぷり書かなくてもいいのです。不器用でも恥ずかしがりやでも、ほんの少し、感謝の気持ちを伝える努力が伺えればそれで十分です。

反対に、花嫁手紙を省いた場合、会場全体が「あれ?ないの?」という空気になることもあります。

どうしても自分では読みたくないのであれば、司会者に代読してもらうこともできます。
以前、新郎新婦が退場したあとに、
司会者が「おっと、ここで実は、恥ずかしがりやの新郎新婦からこんなものを預かっています。」と手紙を取り出し代読したことがありました。
これには親御様もゲストびっくり。シャイな2人らしい伝え方だね!とあたたかい気持ちで聞いてくださいました。
その他、映像でスクリーンに上映するビデオレターにすることもできます。

また、手紙を読むのがどうしても嫌な方は読まずに花束に添えて渡す方法もあります。

この場合は、司会者より適当な説明を付け加えてもらう方がよいでしょう。

私個人、毎回この手紙のシーンでもらい泣きをしてしまいます。正直自分に投影しまくっています。
人の手紙でこれだけ泣いてしまうのですから、自分の時はまともに読めそうにないと思っています。
なので自分が結婚する時は、

  • 朗読用
  • 渡す用

の2つを用意し、朗読用は簡潔にまとめ、渡す用はしっかりとした内容を書こうと考えています。

手紙の書き方

便箋と封筒と万年筆

では、具体的にどんなことを手紙に書くのかを考えてみましょう。

ここでは、よく花嫁の手紙に盛り込まれているものをご紹介します。

  1. 導入文
  2. 小さい頃の思い出
  3. 親御様の人柄
  4. 子供の頃の自分
  5. 親と衝突したエピソード
  6. 家族みんなへの手紙
  7. 結婚の決意
  8. 新郎の親御様への挨拶

全てを盛り込むのではなく、2~6の項目のうち、より伝えたいものを膨らましたり、反対に省く項目を作ったりして全体を調整します。

まずは、2~6のような内容の種(材料)を探しましょう。上記の例以外にも、伝えたいことはぜひ盛り込みましょう。ノートに書き出してみるととてもまとめやすくなります。

実際に書き出すときには、最初と最後の1、7、8は基本的な流れとなりますが、それ以外は伝えやすい順序に入れ替えても良いです。

導入文

いきなり「お父さん、お母さん」とはじめるのではなく、まず、駆けつけてくれたゲストの皆さんに一言感謝の気持ちを伝えます。

そして僭越ながら手紙を読ませてくださいと、ゲストに配慮し、断りを入れてからから本文に入るのが望ましいです。

小さい頃の思い出

階段を駆け上がる子供

子供の頃の家族とのエピソードを思い出してみましょう。

実家暮らしの方はアルバムなどをめくってみて、どんな写真が残っているのかを確認してみてください。

遊園地や水族館へ行ったり、冬はスキーへ連れて行ってもらったり、家族との楽しかった思い出を探してみましょう。
また、入学式や卒業式、習い事の試合や発表会など、子供の頃の記憶を思い出してみましょう。
子供の頃は、親御様が様々な面でサポートをしてくれていたことを改めて実感するのではないでしょうか。

そんな思い出の中から1つ、2つ印象的なものを手紙に書いてみましょう。

親御様の人柄

寄り添うシニア夫婦

自分のお父さんやお母さんはどんな人ですか?

仕事一筋で無口なお父さん、友達の前でも親父ギャグを連発して笑いをとるお父さん、なんでも悩みを聞いてくれる優しいお父さん、自分の決めた進路を反対せず精一杯応援してくれたお父さん。
高校の時にはじめて彼氏を紹介したら、次の日仕事で心配のあまり怪我をしてしまったお父さん。
また、料理の上手なお母さん、仕事で帰りが遅くなっても寝ずに待っててくれたお母さん、
一緒にランチへ行ったり、ショッピングへ行ったりしてくれたまるで友達のようなお母さん。
働きながら家事と子育ての両立をし、何不自由なく育ててくれた頑張り者のお母さん。

などなど、自分を育ててくれた親御様がどんな人なのかを改めて考えてください。

自分の人生においていつもそばにいてくれた、離れてても自分のことを思ってくれていた親御様。
普段からしっかり感謝の気持ちを伝えられていますか?
結婚という節目を迎える今でこそ、けじめとしても心から感謝の気持ちを伝えましょう。

子供の頃の自分

ジャンプする子供

大人になるまでの自分について、どんな子供だったのか振り返ってみましょう。

  • よく風邪を引いて家族を心配させてしまった
  • 走るのが速かった
  • 勉強が苦手だった
  • 受験の時は人生最大に勉強して見事合格した
  • ピアノを6年間頑張った
  • 見知りが激しく友達を作るのが苦手だった
  • 兄弟の中でも甘えん坊でお母さん子だった

など、自分の幼少期を振り返ると必ず親御様や家族の支えがあったことに気づきます。
そんなエピソードも含めると良いでしょう。

親と衝突したエピソード

怒るお母さん

長く一緒にいれば、衝突したり喧嘩をした経験はどの親子にもあります。

親御様が子供を叱るのは、

  • 愛情
  • 失敗してほしくない
  • 社会に出て恥をかかないように

などの親心なのです。

そんな衝突エピソードは手紙を聞いているゲストにもとても共感できることです。
「どこの家族も同じなんだなあ」と。

「あの時は反抗してごめんね」など、お詫びの言葉を入れることで、親御様はとても感慨深い気持ちになります。

あの時叱ったことをちゃんと覚えていてくれていたんだ。その子がこんなに立派になってくれたんだと、子供の成長を改めて実感でき、嬉しい気持ちになるでしょう。

家族みんなへの手紙

杖を持つ高齢者の手

お父さんとお母さんだけじゃなく、手紙は兄弟姉妹や祖父母へのメッセージを入れても良いです。

家族はお父さん、お母さんだけじゃありません。
同居をしている他の家族も、親御様と同じ気持ちで新郎新婦の結婚を心待ちにしているはずです。
そして、一緒に過ごしてきた中で、家族に助けられたことや学んだこともたくさんあると思います。
この機会に家族ひとにひとりに気持ちを伝えることも素敵なことだと思います。

結婚の決意

結婚してこれからの夫婦になる決心を文章にしたためましょう。

新郎や新しい家族と共にどんな家庭を築いていきたいのか、どんな妻になりたいのか、考えを書きましょう。

新郎の親御様への挨拶

結びの文章には必ず、相手方の親御様へ、「頑張ります」のメッセージを送りましょう。

手紙の例文紹介

ありがとうと書かれたノート

ここでは、手紙の書き方の見出しで紹介した内容に沿って、標準的な花嫁の手紙の例を紹介します。

構成は以下の通りです。

  1. ゲストへの感謝と手紙朗読のお断り
  2. 書き出し文
  3. 父の人柄や性格
  4. 父の思い出エピソード1
  5. 父の思い出エピソード2
  6. 母の人柄や性格
  7. 母の思い出エピソード1
  8. 母との衝突エピソード
  9. 母の思い出エピソード2
  10. 結婚の決意や抱負
  11. 新郎の両親への挨拶

導入

ゲストへの感謝と手紙朗読のお断り

本日ご列席を賜りました皆様には、お忙しい中私たちのためにお越しいただいたことを、心より感謝申し上げます。

そして、この時間を拝借して、私を育ててくれた両親へ感謝の一文を伝えることをお許しください。

書き出し文

お父さん、お母様さん、26年間ありがとうございました。

皆様に祝福してもらいながら、こうして結婚式を挙げることができたのもあなた方のおかげです。

娘として、今の私の気持ちを伝えたいと思います。

展開

父の人柄や性格

お父さんへ

お父さんは強面だけど、実はとても可愛らしい人柄で、困っている人を見るとほっとけない優しい性格です。

とにかく仕事人間で毎日遅くまで真面目に働く姿を今もとても尊敬しています。

父の思い出エピソード1

実は、そんなお父さんに謝りたいことがひとつあります。
私が小学生の頃、ピアノ教室に通わせてもらっていました。
お迎えの時間になると、ビシッとスーツを着た他の子たちのお父さんに混じり、汚れた作業服で迎えに来たお父さんが嫌で、帰りの車の中で「恥ずかしいからもっときれいな服で迎えに来てよ!」と怒ったことがありました。
あの時は、お父さんの苦労がわからなかったけど、自分が社会に出て、働くようになって、仕事の厳しさやお金を稼ぐ大変さを知りました。

家族を養うために一生懸命働いてくれて、好きな習い事をたくさんさせてもらっていたのに、無神経なことを言って悲しい思いをさせました。お父さん、あの時は本当にごめんなさい。

父の思い出エピソード2

お父さんには助けられたことがたくさんありました。
雪道で車が溝にはまって帰れなくなった時は、夜中だったけどすぐに駆けつけて助けてくれました。
あの時はスーパーマンみたいにかっこよかったです。ありがとう。

私が仕事で悩んでいる時や、落ち込んでいる時は、ひたすら話を聞いてくれて、ずっと味方でいてくれました。
あの時は精神的にもお父さんにとても助けられました。
また、社会人になったばかりでお金のやりくりが下手だった私に、お母さんに内緒でたまにお小遣いをくれたりもしました。

思い返すと、お父さんがいつもそばにいて守ってくれていたから、今、幸せな生活を送ることができています。

本当に本当にありがとうございました。

母の人柄や性格

お母さんへ
お母さんは料理上手できれい好きで、ちょっと天然だけど、とにかく笑顔が素敵な人です。

仕事をしながら家事を完璧にこなし、美容も心がけているお母さんを同じ女性としてとても尊敬しています。

母の思い出エピソード1

小さい頃は、キッチンに立つお母さんの体にまとわりついて、くんくん匂いをかいでいたのをよく覚えています。
そのくらいお母さんに甘えん坊でした。

小学生の頃、疲れると足が痛くなって眠れないことがよくあり、泣いている私に、「大丈夫だよ」と言いながら私が眠るまで足をなでてくれました。

おかげでいつのまにか安心して眠っていたことを覚えています。

母との衝突エピソード

思春期の頃は、ちっとも言うことを聞かずたくさん迷惑をかけました。

ケンカもしたけど、しばらくすると私が悪い時も「さやかちゃん、ごめんね!」と謝ってくれました。

あの時は、反抗ばっかりしてごめんなさい。

母の思い出エピソード2

そしてなにより、こんな私を小さい頃から「可愛い!可愛い!」とたくさん褒めて育ててくれました。

だから、私は自分に自信を持って生きることができました。お母さん、本当にありがとう。

結び

結婚の決意や抱負

お父さんとお母さんの娘に生まれて本当に良かったと思っています。
2人は私の自慢の両親です。今日まで本当にありがとうございました。
今までお世話になりっぱなしでしたが、これからは少しでも親孝行ができるように努力します。

そして2人に教えてもらった「優しいおもいやり」の精神で、明るい家庭を築いていきたいと思います。

新郎の両親への挨拶

たけしさんのお父さん、お母さん、こんな私をあたたかく迎えてくださり、ありがとうございます。

まだまだ至らぬところの多い私ですが、たけしさんを支えていけるよう一生懸命頑張りますのでいろんなことを教えていただけると嬉しく思います。

これからどうぞ、宜しくお願い致します。

さやか

まとめ

いかがでしたか?
家族はそれぞれ思い出も生き方も教えも様々で、そこには十人十色のストーリーがあります。
家族から学んだ素晴らしいことは自分の結婚生活に生かすことが大事です。
そういった意味でも「自分の家族」について、振り返って文章にしたためることは素敵なことだと思います。
日ごろ伝えれなかった感謝の気持ちをぜひ、思い切って結婚式で伝えてください。

文章が下手でも構いません、聞く人の心をあたたかくさせるような素直な言葉がなにより一番響くのです。