結婚式は年に数回あるかないかのことなので、マナーも忘れがちになります。
招待状が届いたら、何を着ていこう、どんな髪型にしようと悩むゲストも多いです。
そんな方のためにウェディングプランナーが結婚式のマナーについて紹介します。
招待状の返信ハガキのマナー
返信ハガキは「出席」や「欠席」に○をして出せば良いものではありません。
招待状には返信ルールがあります。
招待状が届いたら、1週間以内に返信しましょう
出席できるかの確認が必要で返信が期限ギリギリになりそうなのであれば、前もって新郎新婦にメールや電話で一言お詫びして、返信を待ってもらえるかを伺ってください。
返信期限はだいたい結婚式の1ヶ月~1ヶ月半前になっていることが多いと思います。
しかし、新郎新婦は席次を決めたり、お料理や引出物の数を考えたりしないとならないため、できればすぐに返信が欲しいのが本当の気持ちです。
なので招待されるゲストもマナーを守り、新郎新婦を待たせないよう心がけることが大切です。
返信ハガキの表面
新郎新婦の住所が書いてあり、ゲストがすぐポストへ投函できるよう切手が貼ってあります。
新郎新婦の名前の「行」という表記に二重線をひき「様」を書き足してください。
返信ハガキの裏面
- 御出席
- 御欠席
- 御芳名
- 御住所
など丁寧な意味を持つ「御」の字が多く使われています。
この「御」の字はすべて二重線をひきましょう。縦書きの招待状の場合は縦に、横書きの招待状の場合は横にひいてください。
「×」を書くのは見た目も悪いですし、非常識になります。
そして出席や欠席に○をして、新郎新婦へのメッセージを一言添えましょう。
- 出席の場合
「結婚式に招待していただきありがとうございます。当日のお2人の姿を心待ちにしています!」 - 欠席の場合
「この度はご結婚おめでとうございます!せっかく招待していただいたのに、残念ながら出席することができませんが心からお2人を祝福しています!」
など、特に決められたものはないので、自分の気持ちを一筆書いてください。
出席の場合は「御欠席」の文字に二重線をひきましょう。欠席の場合は「御出席」の文字に二重線をひきましょう。
ご祝儀の準備
ご祝儀の金額
一般的には友人は3万円、上司は5万円、親戚は5万~10万円(家族何名が招待されているかにもよる)と言われています。
親戚の場合、新郎新婦の親御様を自分や子供の結婚式に招待した経験があるのであれば、その際にもらった金額分は必ず返すようにします。
基本ご祝儀は「3.5.7.10」などの奇数を包みます。「4.6.9」など偶数は「割り切れる」ので「別れる」を連想させる数字になります。結婚式にはふさわしくありません。
また、4は「死」、9は「苦」を連想させる数字なので縁起が悪いです。しかし偶数でも8は「末広がり」の意味をもち、大変縁起が良い数字ですので8万円は包んでも良いとされています。
これらのお金は必ず新札で用意しましょう。
ご祝儀袋の選び方
ご祝儀袋はかならず金額に見合った飾り(水引やのし)を選びましょう
お店で購入することが多いと思いますので、店員さんに金額を伝えて適切なものを教えてもらいましょう。
なにも知らず、お祝い事だからといってキラキラした豪華な祝儀袋にしようと派手なものを選ぶと「外見を豪華にみせて中身が少ないことをごまかしている」ととらえられてしまうこともあります。
ご祝儀袋の種類
袋にはいろいろと種類があります。結婚式にふさわしいものを選びましょう。
- 「寿」または「壽」の文字が表面上に書いてあるか
- 水引は結びきりかどうか(結んだら解けない、おめでたいことを固く結ぶという意味が込められています)
「御結婚御祝」と書かれた袋もありますが、これは基本的には結婚式の前日にご祝儀を渡す場合に多く使われるようです。間違いではないのですが「寿」を選ぶのが無難です。
ご祝儀袋の書き方
- 毛筆か筆か筆ペンで書きましょう。薄い字はお葬式を連想させますので、しっかり筆やペンのインクが出るかを確認し、下書きをしてから書きましょう。万年筆やボールペンはマナー違反です。
- 祝儀袋の表面の水引の下に自分の名前をフルネームで書きましょう。(夫婦で出席の場合夫と妻の名前を連名でも書いても良い、代表して夫の名前だけを書いても良い)
中袋の書き方
ご祝儀袋をあけると中に袋が入っています。これを中袋または内袋と言います。こちらの書き方もご紹介します。
- 中袋の表には3万円の場合、「金 参萬円」と旧漢字で書きます。
5万円、7万円、8万円、10万円もそれぞれ旧漢字で書きましょう。 - 中袋の裏には自分(贈り主)の住所と名前を書きます。
- お札の入れ方は表(金額を書く面)がお札を表面に重なるように入れます。
出したときにお札の肖像画が先に出てくる向きに揃えて入れましょう。
この中袋にしっかりと金額や贈り主の住所や名前が書いてあることで、新郎新婦があとで整理しやすくなります。
中袋の記入もボールペンや万年筆はNGです。筆や筆ペンや毛筆でしっかり書くのがマナーです。
袱紗(ふくさ)について
袱紗(ふくさ)とは、ご祝儀袋を包む布のことです。
結婚式当日はご祝儀袋を必ずこの袱紗に入れて持参します。
受付で袱紗から出して、受け取り側が表で受けれるよう渡します。
袱紗は色によって用途が分けられています。
結婚などのお祝い事の際には赤やオレンジや藤色など明るい色のものを用意しましょう。
結婚式の服装のマナー
女性ゲストの結婚式NG服
白のドレス
結婚式において「白」の服は花嫁のためのものです。
ゲストが白いドレスで列席することは大変失礼にあたります。
また、ドレスの上に羽織るボレロに関しても白は避けましょう。
披露宴では、ほぼ着席していますので上半身に白の面積が多いコーディネートは好ましくありません。
ファー素材のもの
ファーや毛皮などの動物の「死」を連想させるものは、結婚式のお呼ばれ服ではNGです。
マフラーやショールで使用するのもマナー違反にあたります。
露出度の多いドレス
太ももが丸見えのミニ丈のスカートや、肩が丸見えのノースリーブやキャミソールタイプのドレスはNGです。
最近、年齢層の若いゲストが平気でこういったファッションで列席している光景を目にしますが、見ていてマナーを知らないのが一目瞭然です。
露出度の多い服は、新婦よりも目立ってしまったり、他ゲストもついつい見てしまいますので、
目立ちたがりな人、下品な人、本当にお祝いに来ているの?と疑われてしまい、
「非常識」のレッテルを貼られてしまったり、新婦の機嫌を損ねることもあります。
真っ黒なコーディネート
黒のドレスは結婚式に着ても良いとされていますが、全身黒は「お葬式」を連想させるのでNGです。
黒のドレスを着る場合は、色のついたボレロを着たり、ストールを羽織ったりしましょう。
靴や小物やアクセサリーを色のついたものでコーディネートするように心がけましょう。
また、地味の観点から、リクルートスーツもNGです。
フォーマルな服といっても結婚式は就職活動の場ではないので、華やかな格好をしましょう。
最近、年齢層の高めの方で、キャリアウーマンのようなおしゃれなパンツスーツスタイルで列席された女性も目にしましたが、結婚式の場で仕事や営業に行くようなビジネスファッションにとても違和感を感じました。
女性のパンツスタイルは不自然に見えます。
女性ゲストの結婚式での望ましい服装
着物
未婚女性は振袖、既婚女性は留袖や訪問着、色留袖や色無地、附下など、着物の種類は豊富です。
着物には「格」があり、結婚式は正装である振袖や留袖が望ましいとされています。
昔から仲の良い友人の結婚式へ列席する際は振袖がベストです。
また、いとこなど少し血縁関係の離れた親戚に結婚式の際は既婚女性の場合、訪問着や色留袖でも構いません。
女性の着物姿はとても美しく、新婦も自分の友人が格の高い着物で列席してくれることで、とても嬉しい気持ちになります。
フォーマルで上品なワンピース
色はイエローやブルーやグリーンなど、わりとはっきり色がわかるものが好ましいです。
ブラウンやグレーなどの落ち着いた色でも良いです。
薄いピンクなど淡すぎる服は、写真に白く写ってしまうこともあります。
かといって、友人全員が黒い服で列席することになると、なんだか華やかさに欠けますし、テーブル全体がどんよりした雰囲気になってしまいます。
派手すぎないカラーのワンピースはフォーマルで上品で華やかな印象を与えます。
また、スカートの丈は座った時に太ももが見えないくらいのひざ丈やひざ下丈のものを選びましょう。
ノースリーブの場合は、必ず、ボレロかストールを着用してください。
ゲストが肩を出すことは基本NGです。
女性ゲストの髪型
着るものを同じくらい悩むのが髪型です。
結婚式では、基本ダウンヘアはNGです。「手抜き」と思われることがあります。
なので、綺麗にこてで巻くか、アップスタイルで列席するのが好ましいとされています。
無造作すぎる個性的な髪型や派手すぎる飾りもNGです。
清潔感のある、品の良いアップスタイルがベストです。
男性ゲストの服装
男性ゲストの服装に関しては、礼服に白かグレーのネクタイが正装とされていますが、
友人の結婚式に列席する場合は、礼服だと親戚っぽくなったり、女性同様華やかさに欠けることもあります。
最近では、カジュアルスーツにカラーのベストを着て蝶ネクタイをしめ、胸ポケットには蝶ネクタイと同じ色のポケットチーフでおしゃれにコーディネートしているゲストをよく目にします。
こういった男性ゲストもおしゃれをして結婚式に列席する時代になってきました。
ただ、スーツの色が派手すぎたり、大きな柄のあるものは新郎よりも目立ってしまうのでNGです。
基本、スーツは黒かダーク系の色を選ぶようにしましょう。
派手めの色はタイやチーフなど小物に使うようにし、スーツ自体は落ち着きのあるデザインやカラーがベストです。
スーツは事前に試着し、肩やヒップのフィット感を確認しておきましょう。
普段スーツを着ない方は、体型が変わったことに気づかずに、サイズの合わないものをそのまま着て列席することになります。
これは、私たち業界人から見ると、不慣れ感がよくわかります。
結婚式なんてまれなことだし、1日ぐらいいいや!と思って気を抜くのはNGです。
結婚式は両家の親戚や、会社関係者もいらっしゃいますし、いい出逢いの場でもありますので、清潔感のある、自分の体にフィットしたスーツ、または礼服で列席しましょう。
当日のゲストのマナー
受付は挙式の30分前には済ませましょう
招待状にて挙式と披露宴の時間を事前に確認しましょう。
挙式の前には、スタッフより案内があったり、チャペルへの移動時間やお手洗いへ行く時間や荷物を預けることも考え、早めに受付を済ませましょう。
挙式開始ぎりぎりの時間にやってくるゲストもいますが、受付の方に迷惑をかけたり、新郎新婦の入場が遅れる原因になります。
親御様への挨拶
受付にて両家の親御様がお出迎えをされている時は「この度は誠におめでとうございます。」と一言挨拶を忘れずに。
兄弟や祖父母の顔がわかる場合も挨拶をするのが望ましいです。
新郎新婦との写真撮影マナー
スタッフより新郎新婦と自由に写真を撮影しても良い時は声がけがあります。
友人何名かで新郎新婦と撮影をする場合、カメラは1台、代表のゲストを決めて撮りましょう。
写真を撮りたい他のゲストに配慮し、新郎新婦との時間を独占しないように心がけましょう。
また、新郎新婦も当日のタイムスケジュールをしっかりと組んでいるので、写真撮影の時間が予定よりも長引いてしまうとお色直しの時間が削られてしまったり、移動の際にダッシュしないといけないことにもなります。
飲酒のマナー
お酒を飲んだ際は当然ですが、タクシーや代行やバスを利用しましょう。
または家族に迎えに来てもらうなど、前もって帰りのことも考えましょう。
お酒が入るとついついハメを外してしまう人は、結婚式では飲みすぎに注意です。
よく、トイレで寝てしまったり、暴れたり、他のゲストに絡んだりする人を見かけますが、これは、まわりの方への迷惑行為になります。
以前、親戚のおじ様が披露宴でお酒を飲みすぎでしまい、
進行の邪魔をしたり、スタッフに大声で怒鳴り散らしたり、終いには新婦の手紙朗読も中断してしまったことがありました。
親御様は大変お怒りになり、「今後親戚付き合いは一切しない。縁を切る」と言い出しました。
せっかくのおめでたい場で、親御様にも新郎新婦にも恥をかかせてしまうのではマナー違反です。
お酒は嗜む程度にしましょう。
新郎新婦との時間
披露宴では少なからずとも新郎新婦と会話をする時間が設けられています。
新郎新婦も駆けつけてくれたゲストに直接お礼を言いたいのです。
そんな時に、一人のゲストが新婦と長話をはじめてしまって、他のゲストと話す時間を奪ってしまうのはマナー違反です。
後日、改めて話せばよい世間話などは結婚式ではタブーです。
事前相談のないサプライズ
新郎新婦にお祝いの気持ちをたくさん届けたいという思いはどのゲストも同じです。
そんな中、特別なサプライズを考えるゲストもいます。これらの相談は事前に式場に連絡し、必ず伝えましょう。
例えば、サプライズのDVDを流してほしいと当日持ってこられたゲストがいました。
新郎新婦は披露宴のタイムスケジュールをしっかりと組んでおり、DVDを入れることにより、
お開き時間は15分遅れ、他のゲストの迷惑になってしまい、新郎新婦にも延長料金が発生してしまうことがあります。
事前に結婚式場へ伝えておけば、スケジュールを新郎新婦には内緒で工夫して組み替えたりすることもできます。
アポなしサプライズはとても危険ということを心得ておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
結婚式は招待されたゲストみんなで新郎新婦をお祝いする場です。
単独な行動や自己中心的な行動はマナー違反です。
また、無知であることは、自分の評価はもちろん新郎新婦の評価を下げることにもなりかねません。
ゲストとして結婚式に列席する際は最低限のマナーと立ち居振る舞いは心得ておきましょう。
また、ルールなマナーにがちがちになる必要はないです。
多少の間違えや、失礼はお祝いの席に免じて許されることもあります。
常に笑顔で、自分自身が結婚式を楽しんで過ごせば、新郎新婦はなによりも喜んでくれるでしょう。